たとえば、「カルテ」と「カルタ」と「カード」。原語の意味は同じなのに、日本語では違った用途に使われている。
ドイツ語の「カルテ」(Karte)は「医師が診断した患者の病状・処置・経過などを記入しておく記録簿」、ポルトガル語の「カルタ」(carta)は「遊びやばくちに使う、絵または文字がかかれている長方形の小さな札。また、それを使った遊びやばくち」、英語の「カード」(card)は「一定の用途のもとに、四角く切りそろえた小型の厚紙や札」。(定義はいずれも明鏡国語辞典から。広辞苑より定義が短かったという、それだけの理由です。)
「アンケート」(enquête)、「アトリエ」(atelier)、「コンクール」(concours)などはフランス語から。英語だとそれぞれ「questionnaire; survery」「art studio」「contest; competition」。
外来語の中には、原語と意味が全く違うものも多い。「アベック」は「~と一緒に」を意味する、フランス語の前置詞「avec」から。男女が「一緒にいる」という連想だろうか。一体誰による造語なのか。
「mansion」は「大邸宅」を意味するが、日本語の「マンション」は「分譲形式の集合住宅」。頭に浮かぶのは都会の鉄筋高層ビルだろうか。日本では賃貸だと「アパート」、所有していれば「マンション」と使い分けている。イギリスや南アフリカでは、アパートの名前に「the Victoria Mansions」などと複数形で使われることもある。アメリカやカナダでは日本語の「マンション」を「コンドミニアム」(condominium)、略して「コンド」(condo)という。
「カバン」「ランドセル」「ズック」はオランダ語の「kabas」「ransel」「doek」から。
漢字だってあるし、どうみても日本語なのに実は外来語、というものもある。たとえば「お転婆」。オランダ語で「御しえない;不屈の;負けん気が強い」を意味する「ontembaar」が起源とか。
・・・キリがないのでこの辺で止めておく。
最近「発見」して楽しくなったのが「ホッチキス」。英語では「stapler」。JIS規格上の名称は「ステープラ」。NHKでは「ホチキス」で統一しているとのこと。「ステープラ」「ステープラー」より「ホッチキス」「ホチキス」の方が断然一般的である。
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| 針なしを含めると、机のまわりに5個もあった |
ホッチキスの語源については、前々から気になっていた。どこかの国の言葉で「ホッチキス」と呼ばれているのが日本語に導入されたのか、それとも商標名かメーカー名なのか。明鏡国語辞典には「アメリカの発明家ホッチキスの名に由来する商標名」とある。






