「これがジャンケンで必ず勝つ方法」(Here's How To Always Win At Rock, Paper, Scissors)というウェブページリンクを目にして、「そんなうまい話はないだろう」と思いつつも、好奇心に勝てず開けてしまった。因みに、「ジャンケン」のことを英語では「rock, paper, scissors」(石、紙、はさみ)という。
ジャンケンに勝つためには、手を出すパターン、相手の心理、そして統計に精通する必要があるという。
まずパターン。「世界ジャンケン協会」(World Rock Paper Scissors Society)によると、ジャンケンの素人、特に男性は最初に「グー」を出す傾向がある。英語で「グー」にあたる「石」には「強い」というイメージがあるためというが、「石」という言葉のイメージなのだろうか、拳に対するイメージなのだろうか。もし前者だとすると、日本人には当てはまらないパターンかも。
とりあえず、この記事の通り、素人は最初に「グー」を出す傾向があるとすると、素人相手には「パー」を出せば勝つ確率が高くなる。
玄人(ジャンケンの玄人ってあるんだろうか?)は素人が「グー」を出しやすいことを経験的に知っているから、素人を相手にする玄人は「パー」を出す傾向にある。従って、玄人を相手にする素人は「チョキ」を出すと勝つ確率が高い。
2016年6月19日日曜日
2015年12月10日木曜日
「国際化」=「英語が話せること」こんな単純な図式で物事が進まないことは、他国のビジネスマンと交渉したことがある人や、外国に支社や工場を設立した会社は痛感しているだろう。相手のコミュニケーション方法がわかっていれば、ビジネス交渉や外国人従業員の取り扱いがかなり楽になるはず。
そう思っている人の強い味方がこの本。リチャード・ルイス(Richard Lewis)著『When Culture Collide』(文化が衝突する時)。初版は1996年で現在第3版が出ている。100万部以上売れた大ベストセラーだが、邦訳はないみたい。(邦訳を出したい出版社はいませんか? 訳しますよ。)『ウォールストリート・ジャーナル』紙が「世界経済をナビするロードマップの決定版」(an authoritative roadmap to navigating the world's economy)と呼ぶ本だ。
リチャード・ルイスは、10か国語を話すイギリスの言語学者。ステレオタイプの危険性を認識しながらも、国による違いは確かにあるという。
ルイスは「リニア・アクティブ」(linear-actives)、「マルチ・アクティブ」(multi-actives)、「リアクティブ」(reactives)という3つのカテゴリーを使って、国民性を分析する。
- リニア・アクティブ・・・計画し、予定を立て、オーガナイズし、予定に従って行動する。一度にひとつのことをする。ドイツ人やスイス人など。
- マルチ・アクティブ・・・一度に多くのことを同時に行う、活発で饒舌な人々。時系列のスケジュールではなく、スリルや重要性に従って優先順位をつける。イタリア人、中南米人、アラブ人など。
- リアクティグ・・・礼儀正しさや他人への敬意を重要視する文化。話し相手の言うことに静かに穏やかに耳を傾け、相手の提案に注意深く対応する。中国人、日本人、フィンランド人など。
これらの特徴は文化や伝統に深く根ざしているため、政治経済の状況が突然変わってもあまり影響を受けないという。
この3つのカテゴリーを元に、世界各国を位置づけしてみたのがこの図。青がリニア・アクティブ、赤がマルチ・アクティブ、黄色がリアクティブ。
国民性が違うと、コミュニケーションの方法も異なる。
2015年3月25日水曜日
![]() |
![]() |
『窓から逃げた100歳老人』は、自分の誕生日パーティーに出席するのが嫌で、老人ホームの窓から逃げ出したアランが主人公。ギャングに追われる100歳の今の冒険と、20世紀の様々な歴史的事件に関わってきたこれまでの人生が平行して語られる。30言語以上に翻訳され、全世界での販売数が800万部を超えた大ベストセラー。映画化もされた。
『スウェーデン国王の命を救った少女』を読み始めて驚いた。冒頭の舞台が南アフリカ、それもジョハネスバーグに隣接する黒人居住区(当時)のソウェトなのだから。スウェーデン人作家が何故アパルトヘイト時代の南アフリカに興味を持ったのだろうか。ソウェトの少女とスウェーデン国王がどう結びつくのだろうか。思わず期待が高まる。2015年2月22日日曜日
最近「ムーミン」を再読している。スウェーデン語が出来ないので、原著は無理。手近な英語で読んでいるわけだが、登場人物の性格描写、心理描写に舌を巻いている。一応子供向けということになっているものの、大人の方が味わい深く楽しめるのではないか。(作者がスウェーデン系フィンランド人であるため、原著はフィンランド語ではなくスウェーデン語。)
日本人はムーミンが好きだ。大好きだ。日本では1969年から4度もTV番組化された。
日本ほどではないが、またアメリカ合衆国や南アフリカではあまり知られてないものの、ムーミンは世界各地で人気者だ。子供向けに書かれた原作9冊は34か国語に訳され、ロンドンの『イブニング・ニューズ』(The Evening News)紙に連載された大人向け4コマ漫画は、世界40紙以上に転載された。スウェーデン、ソ連、ポーランド、ドイツでもTV化されたらしい。
2013年の夏、約3週間フィンランドを旅行した。ロヒヤ(Lohja)で琉球古武術保存振興会の国際セミナーに参加後、フィンランド人のパートナーと一緒に親戚・友人巡りをしたわけだが、初めての本格的フィンランド旅行とあって、ロヴァニエミ(Rovaniemi)のサンタクロースとナーンタリ(Naantali)の「ムーミマーイルマ」(Muumimaailma)、英語名「ムーミンワールド」(Moomin World)ははずせない。
テーマパーク「ムーミンワールド」では、ムーミンの世界が等身大に再現! なかなか楽しめる。だが、入場料・飲食料金とも高い。家族4人で行ったりすると結構な出費になる。(日本での人気を反映してか、日本人の若いカップルや熟年カップルがやたら目についた。)
ここまで来たからには、やはり地元でムーミングッズを手に入れたいが、マグカップなど日用品はオフィシャルの「ムーミンワールド」や「ムーミンショップ」ではなく、スーパーマーケットで買うと断然お得!
スーパーで売っていないニョロニョロのぬいぐるみは、やむなくムーミンワールドで入手した。
ムーミングッズをはじめとするムーミンの知的所有権は、作者トーべ・ヤンソン(Tove Jansson)の姪ソフィア・ヤンソン(Sophia Jansson)が管理している。ディズニーの買収オファーを蹴り、愛する叔母トーベが残した世界的遺産ムーミンを家族の手で守ろうとしているのだ。ソフィアはトーベ・ヤンソンの傑作Sommerboken(邦題『少女ソフィアの夏』)の主人公でもある。トーベに可愛がられたらしい。
日本人はムーミンが好きだ。大好きだ。日本では1969年から4度もTV番組化された。
日本ほどではないが、またアメリカ合衆国や南アフリカではあまり知られてないものの、ムーミンは世界各地で人気者だ。子供向けに書かれた原作9冊は34か国語に訳され、ロンドンの『イブニング・ニューズ』(The Evening News)紙に連載された大人向け4コマ漫画は、世界40紙以上に転載された。スウェーデン、ソ連、ポーランド、ドイツでもTV化されたらしい。
2013年の夏、約3週間フィンランドを旅行した。ロヒヤ(Lohja)で琉球古武術保存振興会の国際セミナーに参加後、フィンランド人のパートナーと一緒に親戚・友人巡りをしたわけだが、初めての本格的フィンランド旅行とあって、ロヴァニエミ(Rovaniemi)のサンタクロースとナーンタリ(Naantali)の「ムーミマーイルマ」(Muumimaailma)、英語名「ムーミンワールド」(Moomin World)ははずせない。
テーマパーク「ムーミンワールド」では、ムーミンの世界が等身大に再現! なかなか楽しめる。だが、入場料・飲食料金とも高い。家族4人で行ったりすると結構な出費になる。(日本での人気を反映してか、日本人の若いカップルや熟年カップルがやたら目についた。)
![]() |
| ムーミンワールドの地図 |
![]() |
| 5階建てのムーミンハウス |
![]() |
| ムーミンハウスの中はこんな感じ |
![]() |
| 屋外でも物語の場面を再現 |
ここまで来たからには、やはり地元でムーミングッズを手に入れたいが、マグカップなど日用品はオフィシャルの「ムーミンワールド」や「ムーミンショップ」ではなく、スーパーマーケットで買うと断然お得!
![]() |
| 柄違いのシリアルボール4個をスーパーで購入。1個10ユーロ程度 |
スーパーで売っていないニョロニョロのぬいぐるみは、やむなくムーミンワールドで入手した。
ムーミングッズをはじめとするムーミンの知的所有権は、作者トーべ・ヤンソン(Tove Jansson)の姪ソフィア・ヤンソン(Sophia Jansson)が管理している。ディズニーの買収オファーを蹴り、愛する叔母トーベが残した世界的遺産ムーミンを家族の手で守ろうとしているのだ。ソフィアはトーベ・ヤンソンの傑作Sommerboken(邦題『少女ソフィアの夏』)の主人公でもある。トーベに可愛がられたらしい。
2014年10月13日月曜日
2014年9月24日水曜日
世のため人のため、こうありたい、こうあるべきだ、と思っても、自分の生活に影響があるとなると、なかなか賛成・実行するのは難しい。汚水処理場や火葬場が必要なことはわかっていても、自宅の傍に出来るのは嫌だし、社会福祉の充実を願いながらも、増税には反対する。差別がいけないことはわかっていても、自分の息子や娘が身体障碍者や外国人(特に白人以外)と結婚したいと言い出したら二の足を踏む。国家レベルでも同じこと。他国の人権問題よりも自国の貿易の方が大切だろうし、市場開放や難民受け入れに難色を示す。
大義名分や理想と現実は違うのだ。どこの国でも、どの国の国民でも似たり寄ったりだろう。
ところが、スウェーデンは毛色が違う。本音はどうであれ、「公平」「正義」「民主主義」という理想や建前を重視し、理想に沿った政策を国家が実行してしまうのだから。
スウェーデンは過去40年にわたり、ヨーロッパのどの国よりも多く移民を受け入れてきた。住民の15%近くが外国生まれという。ヨーロッパで移民受け入れ第2位のデンマークですら、外国生まれの住民は6%強だから、スウェーデンの移民受け入れは文字通り桁違い。親の代まで考慮にいれると、外国生まれがなんと全体の30%にものぼる。
大義名分や理想と現実は違うのだ。どこの国でも、どの国の国民でも似たり寄ったりだろう。
ところが、スウェーデンは毛色が違う。本音はどうであれ、「公平」「正義」「民主主義」という理想や建前を重視し、理想に沿った政策を国家が実行してしまうのだから。
![]() |
| (外務省) |
スウェーデンは過去40年にわたり、ヨーロッパのどの国よりも多く移民を受け入れてきた。住民の15%近くが外国生まれという。ヨーロッパで移民受け入れ第2位のデンマークですら、外国生まれの住民は6%強だから、スウェーデンの移民受け入れは文字通り桁違い。親の代まで考慮にいれると、外国生まれがなんと全体の30%にものぼる。
2014年9月1日月曜日
欧米人が持つフィンランド人のイメージは「超寡黙」。『限りなく完璧に近い人々』(The Almost Nearly Perfect People)では、こんな実話が紹介されている。
著者マイケル・ブース(Michael Booth)の友人(フィンランド人)が吹雪の中、義兄と車に乗っていたところ、とんでもない田舎で車が故障してしまう。30分後、やっと車が一台通りかかった。運転手は車を止め、故障した車のボンネットの下をチェックし、親切も修理までしてくれた。その間、交わされた言葉ゼロ。通りかかりの人が立ち去った後、著者の友人は義弟に言った。「いや~、ラッキーだったね~。一体誰だったんだろう?」 義弟は平然と、「ああ、あれはユッカだよ。僕の同級生だった。」
私の経験では、フィンランド人が「超寡黙」とは感じたことがない。むしろ、「口を聞かないのは言うことがないから」とか「口をきかないのはバカだから」とかいう理由で、ひたすら自己主張し喋りまくるアメリカ人より、余計なことを言わないフィンランド人の方が楽。日本人と似ているのかもしれない。
著者マイケル・ブース(Michael Booth)の友人(フィンランド人)が吹雪の中、義兄と車に乗っていたところ、とんでもない田舎で車が故障してしまう。30分後、やっと車が一台通りかかった。運転手は車を止め、故障した車のボンネットの下をチェックし、親切も修理までしてくれた。その間、交わされた言葉ゼロ。通りかかりの人が立ち去った後、著者の友人は義弟に言った。「いや~、ラッキーだったね~。一体誰だったんだろう?」 義弟は平然と、「ああ、あれはユッカだよ。僕の同級生だった。」
私の経験では、フィンランド人が「超寡黙」とは感じたことがない。むしろ、「口を聞かないのは言うことがないから」とか「口をきかないのはバカだから」とかいう理由で、ひたすら自己主張し喋りまくるアメリカ人より、余計なことを言わないフィンランド人の方が楽。日本人と似ているのかもしれない。
2014年8月24日日曜日
2003年、皆既日食を生中継するというプロジェクトで南極に行った。「南極では南極に関する本を読みたい!」とスーツケースに入れたのが、ローランド・ハントフォード(Roland Huntford)著『The Last Place on Earth: Scott and Amundsen's Race to the South Pole』(地上最後の土地 スコットとアムンゼンの南極点到達レース)。
イギリスのスコット隊とノルウェーのアムンゼン隊の競争を同時進行形で比較分析する、600ページ近い大著である。著者のハントフォードはシャクルトンやナンセンの伝記も書いている南極通。しっかりしたリサーチもさることながら、文章がめちゃうまいため、優れたサスペンス小説のように読ませる。なにしろ南極にはこの本一冊しか持っていかなかったので、ブリザードでテントに閉じ込められ他にすることがなくても、「早く先に進みたい!」とハヤル心を抑えながら、毎日少しずつ読んだ。
大変な思いをして南極点に到着したスコット隊5人の目に映ったのはノルウェーの国旗。アムンゼン隊は5週間も前に、南極点に到達していたのだ。飢えと疲労と寒さから、南極で壮絶な死を遂げたスコットは、即座に国民的英雄となる。
しかし、ハントフォードによると、計画段階で勝負は既についていたという。現地の事情をあまり考慮にいれず、騎士道的な精神論で熱く突っ走ったスコットと違い、アムンゼンは事前の準備を怠らず、緻密な計画を立て、適切な装備と服装を整え、犬の扱い方を理解し、スキーを効果的に使った。そのお蔭で、スコット隊の苦労とは対照的に、アムンゼン隊の旅はスムーズに進んだ。アムンゼンは南極点到達物語を本に書いているが、あまりに淡々として、読み物としては全然面白くないらしい。(自身も冒険家で南極体験があるラナルフ・ファインズなどはハントフォードのスコット分析を批判し、スコットを擁護している。)
イギリスのスコット隊とノルウェーのアムンゼン隊の競争を同時進行形で比較分析する、600ページ近い大著である。著者のハントフォードはシャクルトンやナンセンの伝記も書いている南極通。しっかりしたリサーチもさることながら、文章がめちゃうまいため、優れたサスペンス小説のように読ませる。なにしろ南極にはこの本一冊しか持っていかなかったので、ブリザードでテントに閉じ込められ他にすることがなくても、「早く先に進みたい!」とハヤル心を抑えながら、毎日少しずつ読んだ。
大変な思いをして南極点に到着したスコット隊5人の目に映ったのはノルウェーの国旗。アムンゼン隊は5週間も前に、南極点に到達していたのだ。飢えと疲労と寒さから、南極で壮絶な死を遂げたスコットは、即座に国民的英雄となる。
しかし、ハントフォードによると、計画段階で勝負は既についていたという。現地の事情をあまり考慮にいれず、騎士道的な精神論で熱く突っ走ったスコットと違い、アムンゼンは事前の準備を怠らず、緻密な計画を立て、適切な装備と服装を整え、犬の扱い方を理解し、スキーを効果的に使った。そのお蔭で、スコット隊の苦労とは対照的に、アムンゼン隊の旅はスムーズに進んだ。アムンゼンは南極点到達物語を本に書いているが、あまりに淡々として、読み物としては全然面白くないらしい。(自身も冒険家で南極体験があるラナルフ・ファインズなどはハントフォードのスコット分析を批判し、スコットを擁護している。)
2014年8月7日木曜日
NHKスペシャル『人体特許』(たしか文部科学大臣賞かなんか受賞したような・・・)の取材で、南大西洋の孤島「トリスタン・ダ・クーニャ」(Tristan Da Cunha)に行ったことがある。ディレクターとカメラマンは絶海の孤島での撮影後、アイスランドに向かった。遺伝子研究を行う会社「デコード」(deCODE)を取材するためだ。
アイスランドは人口が少ないため、遺伝子の研究が行いやすい。そこで、「デコード」社は政府の許可を得て、国民の遺伝子を使って研究を行い、利益の一部を国民に還元しているという話だった。一企業が国民の遺伝子情報をすべて把握するなんて、倫理問題や政治問題になりそうだけど、なんと先進的、理知的、現実的なことか。北欧のイメージにぴったりだった。
ところが、今回、『限りなく完璧に近い人々』(The Almost Nearly Perfect People)を読んで驚いた。将来のことを全然考えない、無茶苦茶なギャンブラーのような国民性なのだから。
2003年から2008年の間、アイスランドの3大銀行は1兆4000万億ドルもの資金を借り入れた。これはアイスランドのGDPの10倍に当たる。
中央銀行の外貨準備高が250億ドルの国の銀行にこんな大金を貸す方も貸す方だが、当時のアイスランド政府は心配するどころか、起業家が銀行から融資を受けることを推奨。銀行から多額の融資を受けた起業家たちは、そのあぶく銭を湯水のように使いまくったのだった。
たとえば、デンマークの大デパートやイギリスのサッカーチーム「ウェストハム・ユナイテッド」(West Ham United)を買収。デパートなんて、今どきとても賢い買い物とは思えないし、サッカーチームはまずビジネスで大成功し、使い切れないほどの余剰金が生まれてから購入を考えるべきだろう。
そして、普通の国民まで、「ナイジェリアの詐欺メールでしか使われないような、途方もない財務計画を諸手(もろて)を広げて歓迎した」。日本円で融資を受けたり、スイスフランで住宅ローンを立てたりしたのである。「腰まで魚の内臓につかっていたアイスランド人が、一瞬にして、購入するポルシェ・カイエンのオプションを比較するようになった」という。
誕生日パーティーで一曲歌ってもらうために、わざわざエルトン・ジョンを呼び寄せたり、プライベート・ジェット機をタクシーのように使ったり、シングルモルトウィスキー1瓶に5000ポンド(今の為替レートで86万円)払うのを何とも思わなかったり・・・。全く見返りのないものに、銀行から借りたお金を使い果たしてしまった。「銀行から借りたお金は利子をつけて返さなければならない」という基本の基本を理解していないとしか思えない。
アイスランドは人口が少ないため、遺伝子の研究が行いやすい。そこで、「デコード」社は政府の許可を得て、国民の遺伝子を使って研究を行い、利益の一部を国民に還元しているという話だった。一企業が国民の遺伝子情報をすべて把握するなんて、倫理問題や政治問題になりそうだけど、なんと先進的、理知的、現実的なことか。北欧のイメージにぴったりだった。
ところが、今回、『限りなく完璧に近い人々』(The Almost Nearly Perfect People)を読んで驚いた。将来のことを全然考えない、無茶苦茶なギャンブラーのような国民性なのだから。
![]() |
| (日経ビジネスONLINE) |
2003年から2008年の間、アイスランドの3大銀行は1兆4000万億ドルもの資金を借り入れた。これはアイスランドのGDPの10倍に当たる。
中央銀行の外貨準備高が250億ドルの国の銀行にこんな大金を貸す方も貸す方だが、当時のアイスランド政府は心配するどころか、起業家が銀行から融資を受けることを推奨。銀行から多額の融資を受けた起業家たちは、そのあぶく銭を湯水のように使いまくったのだった。
たとえば、デンマークの大デパートやイギリスのサッカーチーム「ウェストハム・ユナイテッド」(West Ham United)を買収。デパートなんて、今どきとても賢い買い物とは思えないし、サッカーチームはまずビジネスで大成功し、使い切れないほどの余剰金が生まれてから購入を考えるべきだろう。
そして、普通の国民まで、「ナイジェリアの詐欺メールでしか使われないような、途方もない財務計画を諸手(もろて)を広げて歓迎した」。日本円で融資を受けたり、スイスフランで住宅ローンを立てたりしたのである。「腰まで魚の内臓につかっていたアイスランド人が、一瞬にして、購入するポルシェ・カイエンのオプションを比較するようになった」という。
誕生日パーティーで一曲歌ってもらうために、わざわざエルトン・ジョンを呼び寄せたり、プライベート・ジェット機をタクシーのように使ったり、シングルモルトウィスキー1瓶に5000ポンド(今の為替レートで86万円)払うのを何とも思わなかったり・・・。全く見返りのないものに、銀行から借りたお金を使い果たしてしまった。「銀行から借りたお金は利子をつけて返さなければならない」という基本の基本を理解していないとしか思えない。
2014年7月30日水曜日
The Almost Nearly Perfect People(限りなく完璧に近い人々)という本を読んでいる。副題はThe Truth about the Nordic Miracle(北欧の奇跡の真実)。著者はデンマーク在住のイギリス人作家・ジャーナリスト、マイケル・ブース(Michael Booth)。料理と旅を専門とするライターだ。Sushi and Beyond: What the Japanese Know About Cooking (2009年)という著作もある。
見返しの宣伝文にはこうある。
もうお気づきとは思うが、ガチガチの真面目な本ではない。しかし、しっかりしたリサーチと取材に基づいている。ニヤニヤ、時には大笑いしながら読み進めると、北欧5か国の現実と、そこに暮らす人々の姿が等身大で迫ってくる。
最初に取り上げられているのは、著者が住むデンマーク。著者の奥さんはデンマーク人。5章150頁に及ぶ内容なので、最も印象に残ったことをご紹介する。
英レスター大学(University of Leicester)心理学部が「生活満足指標」(Satisfaction with Life Index)なるものを発表した。それによると、世界中で最も幸せなのはデンマーク人という。著者にしてみれば解せない。「暗くて、ジメジメして、どんよりして、平坦で、小さな国土」に「ストイックで良識のある人々」が住む「世界一税率が高い」国が、世界で一番幸せな国?
ブースはデンマークの幸せの理由を探るリサーチを開始する。
見返しの宣伝文にはこうある。
世界中が北欧諸国の成功の秘密を知りたがっている。世界で一番税金多く払っているのに、何故デンマーク人は世界で一番幸せなのか? フィンランドの教育制度が世界で一番優れているのなら、何故フィンランド人は「スウェーデン人の男は皆ゲイだ」と未だに信じているのか? アイスランド人は本当に野放図なのか? ノルウェー人はあり余る原油収入をどう使っているのか? そして、何故、以上の全員がスェーデン人を嫌っているのか?
![]() |
| マイケル・ブーズ(amazon.co.uk) |
最初に取り上げられているのは、著者が住むデンマーク。著者の奥さんはデンマーク人。5章150頁に及ぶ内容なので、最も印象に残ったことをご紹介する。
英レスター大学(University of Leicester)心理学部が「生活満足指標」(Satisfaction with Life Index)なるものを発表した。それによると、世界中で最も幸せなのはデンマーク人という。著者にしてみれば解せない。「暗くて、ジメジメして、どんよりして、平坦で、小さな国土」に「ストイックで良識のある人々」が住む「世界一税率が高い」国が、世界で一番幸せな国?
ブースはデンマークの幸せの理由を探るリサーチを開始する。
2014年6月4日水曜日
ヤマアラシがペンを握り、月明かりの中で執筆をしている。机の上にはインク壺。「博識、俗悪なユーモア、効果的な言葉遣いの、眩暈(めまい)がするような取り合わせ」という英『ファイナンシャル・タイムズ』(Financial Times)紙の評。(これ、褒めてるのかなあ。きっと、褒めてるんだろうなあ。)
題名は『ヤマアラシの回想録』(Mémoires de porc-épic)。私が手にしているのは、その英訳Memoirs of A Porcupine。
かなり好奇心をそそられる。どんな内容なんだろう。本当にヤマアラシが回想録を執筆しているのか。それとも、着ぐるみを着た人間なんだろうか。村上春樹の羊男みたいな。。。ヤマアラシの皮はコビトが着るにしても小さすぎるけど、着ぐるみなら。。。子供向の本だろうか、ファンタジーだろうか、カフカの『変身』風純文学だろうか、倒錯した大人の物語だろうか。少なくとも、ありきたりの本でないことは確か。
表紙をめくると、著者の簡単な経歴があった。
コンゴには元ベルギー領の「コンゴ民主共和国」(首都キンサシャ)と元フランス領の「コンゴ共和国」(首都ブラザヴィル)のふたつあるが、マバンク氏の出身は後者。
「ルノドー賞」といえば、「ゴンクール賞」((Prix Goncourt)などと並んで、フランスで最も権威のある文学賞のひとつだ。
小説はこう始まる。
やっぱり、着ぐるみじゃなく、本物のヤマアラシが主人公だったんだ。
題名は『ヤマアラシの回想録』(Mémoires de porc-épic)。私が手にしているのは、その英訳Memoirs of A Porcupine。
かなり好奇心をそそられる。どんな内容なんだろう。本当にヤマアラシが回想録を執筆しているのか。それとも、着ぐるみを着た人間なんだろうか。村上春樹の羊男みたいな。。。ヤマアラシの皮はコビトが着るにしても小さすぎるけど、着ぐるみなら。。。子供向の本だろうか、ファンタジーだろうか、カフカの『変身』風純文学だろうか、倒錯した大人の物語だろうか。少なくとも、ありきたりの本でないことは確か。
表紙をめくると、著者の簡単な経歴があった。
アラン・マバンク(Alain Mabanckou)は1966年、コンゴに生まれた。現在ロサンゼルスに在住し、UCLAで文学を教える。『青・白・赤』(Bleu-Blanc-Rouge)で「サハラ以南アフリカ文学賞」(Subsaharan African Literature Prize)、『ヤマアラシの回想録』で「ルノドー賞」(Prix Renaudot)受賞。
![]() |
| 緑がマバンク氏を生んだコンゴ共和国。赤がコンゴ民主共和国(元ザイール)。 |
「ルノドー賞」といえば、「ゴンクール賞」((Prix Goncourt)などと並んで、フランスで最も権威のある文学賞のひとつだ。
小説はこう始まる。
そう、僕はただの動物だ。人間だったら、バカで手に負えない動物、って言うところだろう。尤も、僕に言わせれば、人間の殆どはどんな動物よりバカで手に負えないけど。でも、人間にとって、僕はただのヤマアラシ。そして、人間は目に見えることしか信じないから、僕が特別だとは思わない。長くて尖ったハリに覆われ、猟犬ほど早く走れず、餌を食べている畑から動くこともしない怠け者の、あの哺乳動物の一匹に過ぎない。
やっぱり、着ぐるみじゃなく、本物のヤマアラシが主人公だったんだ。
2014年4月20日日曜日
「METライブビューイング」(Metropolitan Opera Live in HD)のお蔭で、ニューヨークのメトロポリタンオペラの公演がアフリカにいながら観れるようになったが(「オペラも容姿の時代? METライブビューイング 」)、「ナショナルシアターライブ」(National Theatre Live)のお蔭で、ロンドンの国立劇場の公演もアフリカにいながら観れるようになった。現在上映されているのは『ウォーホース~戦火の馬~』(War Horse)。
原作はイギリス人作家マイケル・モーパーゴ(Michael Morpurgo)による同名の児童文学(1982年)。第1次世界大戦で離れ離れになったアルバート少年と馬のジョーイの物語を軸に、戦争の悲惨さと平和の大切さを描く。
第1次世界大戦では、英軍だけでなんと100万頭もの馬が「戦死」した。戦場はヨーロッパだから、海を越えて行ったわけである。多くはマシンガンや鉄条網に向かって突撃させられ命を失った。重労働の挙句、疲労困憊して死んだ馬もあった。幸運にも生き残った馬の殆どが肉屋に売られた。
![]() |
| (National Theatre Liveから) |
原作はイギリス人作家マイケル・モーパーゴ(Michael Morpurgo)による同名の児童文学(1982年)。第1次世界大戦で離れ離れになったアルバート少年と馬のジョーイの物語を軸に、戦争の悲惨さと平和の大切さを描く。
第1次世界大戦では、英軍だけでなんと100万頭もの馬が「戦死」した。戦場はヨーロッパだから、海を越えて行ったわけである。多くはマシンガンや鉄条網に向かって突撃させられ命を失った。重労働の挙句、疲労困憊して死んだ馬もあった。幸運にも生き残った馬の殆どが肉屋に売られた。
登録:
投稿 (Atom)


















