2014年9月7日日曜日

陶芸を始める

遊びに来たドイツ人の友人が、最近アート、特に木工細工に興味を示す息子をギャラリーに連れて行きたいという。木工細工を専門にするギャラリーは思いつかない。それで久しぶりにアフリカ各地の様々な実用的なアートを扱う「キム・サックス・ギャラリー」(Kim Sacks Gallery)に足を運んだ。

キム・サックス(Kim Sacks Gallery

キム・サックス(Kim Sacks)は1956年、ジョハネスバーグ生まれ。自身を「Vessel Maker」と呼ぶ。「器の作り手」といったところか。12歳で陶芸を始め、18歳でヨーロッパへ。デンマークで陶芸のための化学を学んでいた時のルームメートが日本人。その子に日本風の発音で「キム」と呼ばれたことから、今でも作品のサインは「Kimu」。

ギャラリーに行ったばかりに、迫力あるキムに押し切られ、陶芸を始めることになった。

陶芸には良い思い出がない。何と言っても、これまで陶芸に手を染めたのは中学校の美術の授業1回だけ。その時、何を作ったか全然記憶にないのだが、割れてしまったことだけはしっかり覚えている。それ以来、陶芸には才能がないと敬遠・・・というわけではないが、「アーチスト」を名乗りながらも何故か陶芸には食指が動かなかった。

始めてみると、結構楽しい。無知の世界に足を踏み入れる興奮もあるが、土を練る感触がメディテーションのように心を落ち着かせる。

最初は「ピンチポット」(pinch pot)を作るように指示された。土の塊を丸いボールにし、親指でまず穴を作り、そこから器の形にしていく。

持ち前の好奇心から「こうすればどうなるだろう?」と、勝手にハサミを入れてみたり、たまたま目についた釘を押し込んでみたり・・・と適当なことをするからとても実用的なものはできない。(そういえば、絵を描くときも、料理を作る時も、「こうすればどうなるだろう?」で動いているような気がする。)

憑かれたように作品作りに没頭していたら、パリ出身のロランス(Laurence)が「あなた、もしかしたら絵描き?」

やはり絵描きのロランスは、一心不乱に絵付けをする姿を陶芸家仲間からいつもからかわれているという。「同類が来てくれて嬉しいわ」とにっこり。

ロランスは幼い頃から絵を描くのが大好きだったものの、「弁護士か医者以外は職業ではない」という家庭に生まれたため、アートは「趣味」にするしかなかった。中等学校はスペイン。ニューヨークで弁護士の資格を取り、10年間彼の地でバリバリ弁護士として働く。南アフリカには7年前、アメリカ人の夫と一緒にやってきた。大病をしたこともあって普通の仕事につかず、昨年、陶芸を始めたとか。

・・・昨年? 嘘だろ。。。プロ並み。。。

才能がある人は凄い。やはり昨年、台所の改装を手掛けてくれた家具職人に見込まれ、家具のデザインを開始。今では、南アの有名高級家具メーカーがクライエント。彼女のデザインによる家具が、中国で大量生産されているとのこと。

・・・とかなんとか、週に1回、土をこねているうちに、作品が出来上がった。


やっぱり、実用性ないな~。

【関連ウェブサイト】
キム・サックス・ギャラリー

0 件のコメント:

コメントを投稿