2014年7月25日金曜日

ベッカム、ゾンビ、スタートレック・・・。楽しい大学の科目あれこれ

アメリカのテレビ番組『ゲーム・オブ・スローンズ』(Game of Thrones)が米バージニア大学(University of Virginia)で英文学の科目になった。エミー賞、ゴールデングローブ賞など受賞している超人気ファンタジードラマだ。

授業を行うのはリサ・ウールフォーク(Lisa Woolfork)準教授。実績のある学者とのこと。『ゲーム・オブ・スローンズ』は「文学的に見て、非常に多様で含蓄がある文章。何重もの層があり、登場人物が豊富で、とても知的」とベタ褒め。

ディスカッションが主の授業は4週間にわたり、学生たちは最後に『ゲーム・オブ・スローンズ』の新しい章をグループ別に書くことになっている。現在24名の学生が受講中。

4年生のマドリン・マッコーリフ(Madlyn McAuliffe)さん曰く、「昔は本が話題を提供したが、今その役割を果たすのはテレビと映画」「文学と同じ原則をテレビや映画に適用するのは大切だと思う」。

これ以外にどんな「オモシロすぎて、実在するとはとても思えない大学の科目」があるのだろう、と英『デイリー・テレグラフ』(The Daily Telegraph)紙が探し出してきたのが以下のコース。

デイビッド・ベッカム研究(David Beckham studies) 英スタッフォードシャー大学(Staffordshire University)

この大学には「メディア・スポーツ・文化」という学位があるそうで、その授業の一環。ベッカムの写真をホレボレと観賞するわけではなく、人々がサッカー選手に夢中になる現象を社会学的に研究するもの。コースを創設したエリス・キャシュモア(Ellis Cashmore)教授曰く、「今日ベッカムが大きな注目を浴びているのは事実。ベッカムは数多くの夢想・幻想の対象となっている」。

2009年ケープタウンにて。記者会見で一語一語ゆっくり言葉を選んで話す、誠実な態度が印象的でした。

ポピュラーメディアにおけるゾンビ(Zombies in Popular Media) 米コロンビアカレッジ(Columbia College)

ニューヨークのコロンビア大学ではなく、シカゴにある大学。ホラーやファンタジー文学におけるゾンビの歴史、意義、描写を研究する。「ゾンビが世界の終末をもたらす時、これを専攻した卒業生は大いに役立つだろう」と『デイリー・テレグラフ』紙。

スタートレックの哲学(Philosophy of Star Trek) 米ジョージタウン大学(Georgetown University)

コースの説明書によると、「スタートレックは非常に哲学的である」。さすがアメリカで大人気の『スタートレック』、この他にも、例えばインディアナ大学が「スタートレックと宗教」(Star Trek and Religion)という科目を提供している。

ハリー・ポッターと錯覚の時代(Harry Potter and The Age of Illusion) 英ダラム大学(University of Durham)

ウェブサイトに記載されているコースの目的は、「ハリー・ポッター現象を社会的文化的教育的コンテクストに置き、人気の理由を理解する」「ハリー・ポッターと21世紀の教育との関連性を考察する」など。ダラム大学の大聖堂で映画版の1作目と2作目の撮影が行われたそうなので、ハリー・ポッターとの縁はあるわけだ。

フォースを感じる~ジェダイ流トレーニング~(Feel the Force: How to Train in the Jedi Way) 英クイーンズ大学(Queen's University)

『スターウォーズ』(Star Wars)に見られる心理学的哲学的問題を考察する。授業には、ジェダイの騎士が持つ剣を持参するらしい。まさか本物は入手できないだろうから、模造品を作るか購入するのだろう。

ジャッジ・ジュディと論争する(Arguing with Judge Judy) 米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)

『ジャッジ・ジュディ』(Judge Judy)はアメリカの人気テレビ番組。引退した裁判官が法廷に模したスタジオで、視聴者の法的問題を「裁く」もの。1996年に始まり、まだ続いている。法学部の授業ではなく、弁論のノーハウを学ぶ科目。

クリンゴン人(Wikipedea
発明された言語~クリンゴンを超えて~(Invented Languages: Klingon and beyond) 米テキサス大学(University of Texas)

クリンゴン語は『スタートレック』に登場するクリンゴン人が話す言語。「クリンゴン語を学んでクリンゴン人と会話しよう!」というわけではなく、人工的に作られた言語を用いて言語学の理論を学ぶもの。

ガガのためのガガ~セックスとジェンダーとアイデンティティ~(Gaga for Gaga: Sex, Gender and Identity) 米バージニア大学(University of Virginia)

大学で「セックスとジェンダーとアイデンティティについて学ぶ」といえば、伝統的には専らフロイトだったが、この科目ではレディー・ガガ(Lady Gaga)のビデオを見たり、歌を聞いたりする。でも、楽しいことばかりではなく、ちゃんとレポートも提出しなければならない。

ビヨンセで政治を論じる(Politicising Beyoncé) ラトガース大学(Rutgers University)

ビヨンセの音楽とキャリアがアメリカの人種・性問題にどのように関係するかを模索する。独身女性しか受講できないという噂があるらしいが、根も葉もないとのこと。

ビートルズとポピュラー音楽と社会(The Beatles, Popular Music and Society) 英リバプールホープ大学(Liverpool Hope University)

なんとこれは修士課程の科目。ビートルズとその音楽が地域のアイデンティティ形成に果たした役割を探るという。リバプールならではの科目だろう。

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世界を色々探せば、これ以外にも結構面白い科目がありそうな気がする。ご存知の方は是非コメント!

(参考資料:The Daily Telegraph "Games of Thrones: USA offers university course", "Beyoncé studies to Jedi trianing: 10 pop-culture university courese

1 件のコメント:

  1. 科目じゃないですが、日本の大学で学生向けに婚活コースっていうのをどこかで読んだことがあります。結婚相手を探すためというのではなく、そのために必要な自分をどう表現するか、相手とどうコミュニケーションをはかるかというのを研究するコースです。最初に講義ではクラスメイトと握手したりハグしたりするそうです。

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