2016年6月14日火曜日

最強のスーパーヒーローは誰?

今年公開された『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(Batman v Superman: Dawn of Justice)ではバットマンとスーパーマンが戦ったけど、数あるスーパーヒーローのうち最も優れているのは誰だろう? 「いずれも架空の存在なのだから、何を馬鹿げたことを!」なんて言わないで。ちゃんと学術的に研究されているのである。



レスター大学(University of Leicester)の学生が2009年から2016年の間、学術誌に発表した数多くの論文を基に、スーパーヒーローの能力を科学的に分析した研究チームがいるのだ。(スーパーヒーローに関する論文が数多く生まれているなんて、レスター大学って楽し~い。)

研究をまとめたのがこの表。


対象となったスーパーヒーローは、左からスーパーマン(Superman)、ウルヴァリン(Wolverin)、ミスティーク(Mystique)、マイティ・ソー(Thor)、フラッシュ(The Flash)、スパイダーマン(Spiderman)、バットマン(Batman)、リザード(The Lizard)、アイアンマン(Iron Man)、シルバーサーファー(Silver Surfer)、ブラックボルト(Black Bolt)、アイスマン(Iceman)の12人。(『Xーメン』のひとりに過ぎないミスティークや『アメイジング・スパイダーマン』の悪役、リザードが「スーパーヒーロー」に入っているのが、研究者の好みを暗示している。)

縦に特別な力(「スピード」「破壊力」「安全に移動する能力」など13項目)と弱点(「長時間パワーが維持できない」「移動方法が危険」など6項目)をリストアップし、スーパーヒーローを比較検討したところ、特別な力を7つ持ち、弱点がひとつしかないスーパーマンが一番優れているという結論に達した。

その他にも、細かい分析結果が出ている。

例えば、スーパーマン。太陽エネルギーを3日間吸収すれば、走る列車を止めるのに十分な力を蓄えることができる。しかし、「マン・オブ・スチール」(Man of Steel)=「鉄の男」の異名にもかかわらず、発射された弾丸を止めるのはまず無理という。

スーパーヒーロー中、最も情けないのはバットマン。ケープを使って滑空する際、時速80キロにまで達する可能性があるが、パラシュートを使わない、しかも生身の人間バットマンがこのスピードで着地したら致命的。命がいくつあっても足りない。

スパイダーマンも、なかなか微妙な立場。クモの糸は40%も伸びる可能性があるため、ビルからビルへ糸を張って、ものすごいスピードで犯罪者を追っている間、少しでも計算を間違えると、予想外に糸が伸びて、ビルや地面などに激突し、命を落とす可能性がある。

ウルヴァリンはなかなかの優れモノ。再生機能のおかげで怪我や病原菌に強い。ところが、フラッシュの場合、強力な再生能力が裏目に出る。普通の人の72倍もの速さで細胞が常に再生しているため、細胞が突然変異してしまう確率が非常に高くなるという。

日本にも『空想科学読本』シリーズがあるけれど、この研究は科学者が真面目に取り組んだという点で面白い。レスター大学は研究を得意とし、遺伝子指紋法(genetic fingerprinting)を発明した業績で知られているとか。

(参考資料:"Scientists May Have Finally Figured Out Who Is The Best Superhero")

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